世界で一番じゃない富を得た政治家へ

最近書いた新作で、何度かライヴでやっている。

 

言葉に共感してくださる方々がいたので、ここに詩を公開します。

 

 

 

「世界で一番じゃない富を得た政治家へ」

 

 

 

去年テレビを見ていたら

 

政治家が記者会見を行っていた

 

新型コロナウイルスで

 

非常事態宣言が続いて

 

全国民に給付された10万円は

 

貯金が増えただけで

 

効果がなかったと報告していた

 

私は頭に血が一気に上り詰めた

 

 

 

非常事態宣言下で支給された給付金を

 

家賃や水道 光熱費で

 

使い切る人だっているのに

 

外出を止められ

 

外食はおろか映画館で映画を見ることもできず音楽や美術に踊りスポーツ生観戦もできずに家にいるだけだった

 

 

 

今日仕事があっても

 

明日失業するかもしれない危機感を

 

政治家たちはわからない

 

政治家が失業しても

 

生活には困らない人たちには

 

何もわからない

 

失業する人たちが増えている一方で

 

職を維持できた人達はどのようにして

 

お金を消費すればいいと言うんだ

 

家に籠りっぱなしで

 

政治家たちは一般市民がどのような

 

暮らしをしているのかまるで分っていない

 

あの会見には何の意味があったのか

 

所詮富のある者が富のない人たちへ

 

報告しただけのものなのか

 

それで国民がどのような反応をするのか

 

様子をうかがっただけのものなのか

 

いずれにしても

 

上から下への目線で報告したに過ぎない

 

 

 

時期を同じくしてラジオから

 

ある一人の男の名前を耳にした

 

それはウルグアイの前大統領ホセ・ムヒカ

 

彼は収入の大半を貧しい人に寄付し

 

愛妻と愛犬とともに

 

小さな農場で質素な暮らしを続けている

 

彼の暮らしは大統領になる前と後でも

 

何も変わりはしなかった

 

私は映画となって上映された

 

「ムヒカ世界で一番貧しい大統領から日本人へ」

 

を観ることができた

 

彼は政治犯で囚われ12年もの間

 

刑務所で過ごした

 

正しい目で彼を見て釈放されたのだ

 

来日したことは知らなかった

 

 

 

富とは何か 

 

富とは何のためにあるのか

 

財宝の富だけが富ではない

 

便利な機材を買いそろえることではない

 

心の富が一番大事なんだ

 

 

 

考えてほしい

 

特に日本の政治家全員に言いたい

 

派閥や徒党を組むことより

 

手をすり合わせて現金を袖の下に通すことより

 

ご機嫌をうかがうことより

 

予定調和の討論を繰り返すことより

 

もっとお金の使い方を考えてほしい

 

よその国の出来事だと

 

耳をふさがないでもらいたい

 

 

 

人であるならば

 

どこの国であろうと

 

同じ色の血が

 

通っているはずだ

 

 

 

日本の政治家たちは高額な所得を

 

何のために使っているのか

 

すべて私利私欲に使っているとは言わない

 

見直してほしい

 

はたして正しいことに使われているのか

 

見直してほしい

 

手取り10万円の収入で

 

   15万円の収入で

 

   20万円の収入で

 

いったいどのような暮らしができるのか

 

想像してほしい

 

多くの人たちが想像したい未来を

 

想像してほしい

 

そして大事なことを一つ

 

言葉には気を付けてほしい

 

無神経でお粗末な代表になってほしくない

 

言葉が伝えられていく影響力を

 

日本の代表者を名のる責任と

 

誰よりも言葉の意味をくみ取り

 

感じ取れる 人を育てられる

 

教育者であってほしい

 

 

 

そしてこの物語が

 

この先の未来で

 

こんな時代じゃなくて

 

良かったね

 

という日が来ることを

 

私は願っている

 

 

こんな世の中ではない

 

そんな日が来ることを

 

私は願っている

 

 

 

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